FP3級の試験では、「相続・贈与」に関する問題が毎回出題されており、得点源にしやすい分野として注目されています。
この分野は制度の基本をしっかり押さえることで、計算問題も選択問題も安定して正答できるのが魅力です。
この記事では、FP3級の「相続・贈与」に関する重要ポイントを、頻出テーマごとにわかりやすく解説していきます。
直前対策にも役立つので、ぜひ最後までご覧ください!
FP3級の相続・贈与分野とは
出題される主なテーマ
FP3級の「相続・贈与」では、次のようなポイントが頻繁に出題されます。
- 誰が相続人になるのか(法定相続人)
- 相続分はどう分けるのか(法定相続分)
- 相続税や贈与税の計算
- 贈与税の非課税枠や特例制度
このように、制度の基礎と数値の扱い方をしっかり学ぶことが重要です。
どんな問題が出るのか(例題あり)
例題:Aさんが死亡し、相続人は妻Bと長男C、次男Dの3人だった。このとき、法定相続分として妻Bが相続する割合は?
→ 正解は 1/2(残りの1/2をCとDが等分して1/4ずつ)。
このように、法定相続分の割合や控除額などを問う、基本的な問題が多く出題されます。
まずは「誰が相続人になるのか」「何割もらえるのか」などのFP3級の相続・贈与の基本から押さえましょう。
頻出ポイント① 法定相続と法定相続分
法定相続人の範囲
FP3級では、相続人の順位と構成を正確に覚えているかどうかが問われます。
- 配偶者は常に相続人
- その他の相続人は順位があり、第1~第3順位まで存在します
- 第1順位:子(養子も含む)、代襲相続の対象になる
- 第2順位:直系尊属(父母など)
- 第3順位:兄弟姉妹
代襲相続とは、相続人である子が先に亡くなっていた場合、その子(孫など)が代わりに相続する制度です。
相続分の割合を覚えるコツ
- 配偶者と子ども → 1/2ずつ
- 配偶者と直系尊属 → 配偶者2/3、親1/3
- 配偶者と兄弟姉妹 → 配偶者3/4、兄弟1/4
これらは表にまとめて暗記するとFP3級の試験で役立ちます。
相続・贈与の基礎を押さえるうえで、法定相続分の理解は最優先事項です。
頻出ポイント② 相続税と贈与税の計算
相続税の基礎控除の計算式
相続税には「基礎控除額」があり、一定額までは課税されません。計算式は以下のとおりです。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
たとえば、相続人が妻と子2人(計3人)の場合は
「3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円」が基礎控除額となります。
この額を超える相続財産があってはじめて、相続税の課税対象になります。
FP3級ではこの計算問題が高確率で出題されるため、しっかり覚えておきましょう。
贈与税の課税方式と非課税枠
贈与税には2つの課税方式があります。
- 暦年課税
年間110万円までの贈与は非課税。超えた分に対して課税される。 - 相続時精算課税制度
2,500万円までの贈与は非課税。ただし、相続時に精算されて相続税の対象になる。
この違いを問う問題も頻出。
また、教育資金の一括贈与や住宅取得資金の特例など、非課税になるケースを問う問題にも注意しましょう。
頻出ポイント③ 生前贈与とその影響
相続税対策としての生前贈与
「生前贈与」は相続税対策としてよく用いられますが、注意点もあります。
FP3級では、「相続開始前3年以内の贈与」は相続財産に加算されるルールを覚える必要があります。
これにより、いわゆる“駆け込み贈与”が無効になるケースもあるため、試験でもよく狙われるポイントです。
贈与税がかからないケース
以下のような場合は、贈与税が課税されません。
- 年間110万円以下の贈与(暦年課税の非課税枠)
- 生活費や教育費として渡されたお金で、通常の範囲内のもの
- 扶養義務者間での通常の援助
FP3級の相続・贈与では、「贈与税がかかるかどうか」の判定を求める設問もあるため、非課税パターンを整理して覚えておきましょう。
効率的な勉強方法と問題演習のコツ
とにかく「図」で覚える!
家系図や相続分の図を使って視覚的に覚えると、理解も早くなります。
FP3級の相続問題は文章だけだと混乱しやすいため、図解はとても有効です。
計算問題はパターン化
相続税や贈与税の問題は、「控除額を引いてから税率をかける」という基本パターンが多く、慣れればすぐ解けるようになります。
- 贈与額 - 基礎控除(110万円)= 課税価格
- 課税価格 × 税率 - 控除額 = 納税額
この流れを体に染み込ませましょう。
過去問でよく出る分野に集中
FP3級は出題パターンが固まっているため、過去問を3回分ほど解けば、相続・贈与に関してはほとんどの問題に対応できるようになります。
まとめ|相続・贈与は得点源にできる!
FP3級の「相続・贈与」分野は、出題されるポイントがある程度決まっており、対策しやすい分野です。
法定相続人の順位や相続分、贈与税の課税方式、相続税の基礎控除など、よく出るポイントを押さえておくだけで、確実に点数が取れるようになります。
計算問題も一度慣れてしまえば怖くありません。
図や表を使いながら、繰り返し演習することで、誰でも得意分野に変えられるはずです。
ぜひ今回の解説を参考に、「相続・贈与」で合格ラインにグッと近づいてください!