「机に向かっても集中できない…」
「勉強しても覚えられない…」
そんな悩みを抱えているなら、思い切って“動いて”みませんか?
実は、軽い運動を取り入れるだけで、脳の働きが驚くほど高まり、記憶力や集中力がアップすることが近年の神経科学で明らかになっています。
本記事では、資格試験・受験・学び直しに取り組むすべての人に向けて、「軽い運動」が脳に与える影響と、その活かし方を詳しく解説していきます。
運動が脳に与える意外なメリットとは?
私たちの脳は、実はじっとしているよりも「少し動いたとき」の方がよく働くように設計されています。
座りっぱなしで勉強を続けると、集中力が切れてくるのは当然。 そこで効果を発揮するのが「軽い運動」です。
記憶力の要・海馬が活性化する理由
記憶を司る脳の部位「海馬(かいば)」は、有酸素運動によって活性化します。 特に注目されているのがBDNF(脳由来神経栄養因子)という物質の分泌です。
BDNFは「脳の神経細胞を元気にする栄養素」のようなもので、神経のつながりを強くしたり、新しい記憶を作りやすくしたりする働きがあります。
2011年のEricksonらの研究では、週3回のウォーキングを半年続けた高齢者グループで、海馬の体積が増加し、記憶力が改善したという報告もあります。
🧪 Erickson, K.I., et al. (2011). Exercise training increases size of hippocampus and improves memory. PNAS
運動で集中力もアップする
集中力に深く関わるのが「前頭前野(ぜんとうぜんや)」という脳の部位です。
軽い運動はこの部分の血流を増やし、ワーキングメモリ(短期的に情報を保つ力)や注意力を高める効果があるとされています。
つまり、勉強前に軽く身体を動かすだけで、脳の“準備体操”が整い、学習効率が高まるのです。
勉強前と後、どちらが効果的?
スタンフォード大学などの研究によれば、勉強前の軽い運動は集中力の向上、勉強後の軽い運動は記憶の定着に効果があるとされています。
🧠 Wang, C., et al. (2019). Impact of exercise timing on episodic memory: A randomized controlled study. Cognition
どちらも効果的ですが、「始める前に5分動く」だけでも十分メリットがあります。

記憶力アップに効果的な軽い運動3選
「運動」と聞くとハードルが高く感じる人もいるかもしれませんが、安心してください。 記憶力アップに有効なのは“軽くて気持ちいい”運動です。 以下に、特に効果が期待できる3つを紹介します。
🧠 ウォーキング|脳をリズミカルに刺激する
歩くという行為は、左右交互に動く身体のリズムが脳波に良い刺激を与え、思考の整理や発想力の向上にもつながります。
スタンフォード大学のOppezzoらによる実験では、歩行中の創造的思考が静止時よりも平均60%向上したと報告されています。
🚶♂️ Oppezzo, M. & Schwartz, D. L. (2014). Give Your Ideas Some Legs: The Positive Effect of Walking on Creative Thinking. Journal of Experimental Psychology
記憶力の観点でも、血流促進とBDNF分泌による効果が期待できます。
🧠 ラジオ体操・ストレッチ|朝の脳スイッチに最適
短時間で全身を動かすラジオ体操や、静的ストレッチも効果的です。
身体を気持ちよく伸ばすことで自律神経が整い、脳の覚醒度が高まるとされています。
🧠 軽いエアロビ|音楽との相乗効果で記憶力UP
リズムに合わせて身体を動かすエアロビやダンスは、ドーパミン(快感ホルモン)の分泌を促し、記憶定着を助ける可能性があります。
「好きな音楽をかけながら5分間だけ動く」だけでも、学習効果が変わってきます。
勉強に活かす!運動×学習の組み合わせ実践法
では、具体的にどのように運動を学習に取り入れればいいのでしょうか?
以下に、すぐに使える実践アイデアを紹介します。
🕒 勉強前のおすすめ運動(5〜15分)
- ストレッチ+深呼吸(2分)
- 部屋の中を歩きながら計画を立てる(5分)
- 軽い体操やラジオ体操(5〜10分)
「やる気スイッチが入らない…」という悩みを、身体からアプローチして解決。
🕒 休憩時間に軽く動く(3〜5分)
- 階段の上り下り
- ベランダや廊下を1周
- その場足踏み+肩回し
休憩の質を高めることで、学習効果も底上げされます。
🕒 寝る前のストレッチ+復習
- ベッドに横になる前に、軽くストレッチ
- 今日学んだことを声に出して1分で振り返る
睡眠中に記憶が定着しやすくなり、翌朝の“思い出しやすさ”が変わります。
注意点と継続のコツ|やりすぎNG!正しく取り入れよう
運動は記憶の味方ですが、強度やタイミングを間違えると逆効果になることも。
⚠️ 激しい運動は逆効果?
高強度の運動は**ストレスホルモン(コルチゾール)**を増やし、記憶形成に悪影響を与える可能性があります。
筋トレ90分→すぐ勉強…はあまりおすすめできません。
⚠️ 「5分だけでもOK」という気軽さ
毎回20分運動しようとすると続かないことも。 大切なのは「こまめに血流を回す」こと。 5分の散歩や1分のストレッチだけでも、十分に脳は活性化します。
⚠️ 続けるための“可視化”の工夫
- チェックリストに「運動したか」記録を残す
- 勉強とセットで「運動→集中」パターンを習慣化
行動を「見える化」すると、継続のハードルが下がります。
✅まとめ|歩けば覚える。運動は最高の記憶トレーナー
「覚えられない…」と悩む前に、まず動こう。
軽い運動は、あなたの脳を“覚えられる状態”に整えてくれる最高のトレーナーです。
- 海馬と前頭前野を刺激し、記憶力と集中力を向上させる
- たった5分の運動でも効果がある
- 勉強前・休憩中・寝る前など、タイミングを意識して取り入れる
机にかじりつくよりも、1歩歩く方が記憶に残る。 今日から、あなたの学びに「ちょっとした運動」を組み込んでみませんか?
