「勉強 記憶 に残す」ーーこの悩み、資格試験の勉強をしているときに特に強く感じますよね。
私自身、FP3級や簿記3級を勉強しているとき、「テキストを読んでも全然覚えられない…」と何度も落ち込みました。
でも大丈夫です。
記憶に残る勉強法には、脳科学と教育心理学に裏付けられたシンプルなコツがあります。
今回は、勉強内容を記憶に残すための具体的なインプットとアウトプット術を紹介します。
結論|勉強を記憶に残すには「思い出す練習」が必須
最初に結論です。
勉強した内容を記憶に残すには、「思い出す練習」を取り入れることが重要です。
読むだけでは定着しない理由
私も最初は、テキストを繰り返し読むだけで大丈夫だと思っていました。
でも実際には、読むだけだと内容は頭に残りません。
なぜなら、読むことはインプットであり、脳にとっては「情報を見ただけ」の状態。
そのままだと短期記憶にとどまり、すぐに忘れてしまいます。
思い出す練習(リトリーバル練習 / retrieval practice)とは
記憶を定着させるためには、「思い出す」こと=リトリーバル練習が必要です。
リトリーバル練習(retrieval practice)とは、読んだ内容を自分の頭から引き出して再現する練習のこと。
例えば、
- テキストを閉じて要点を思い出す
- 問題演習で知識を引き出す
こうした作業によって、脳は「これは重要な情報だ」と判断し、長期記憶に残してくれます。
リトリーバル練習の効果と研究例
実際、思い出す練習を取り入れるだけで、記憶保持率が2倍以上になったという研究もあります。
アメリカの教育心理学者RoedigerとKarpicke(2006)の研究では、学習後にテスト形式で思い出す練習をしたグループは、再読だけをしたグループに比べて1週間後の記憶保持率が2倍以上に向上しました。
資格試験に挑戦するなら、この「思い出す練習」を日常に取り入れない手はありません。
勉強内容を記憶に残すインプット法
では、記憶に残すためのインプット方法にはどんな工夫があるのでしょうか。
ただ読むだけではなく、少し工夫を加えるだけで、記憶への定着率は大きく変わります。
なぜテキストを読むだけでは記憶に残らないのか
テキストを読むだけでは、脳は情報を処理したつもりでも、すぐに忘れてしまいます。
理由は簡単で、「情報を受け取るだけでは脳に負荷がかからない」からです。
記憶に残すためには、理解する努力や意味づけが必要です。
例えば、FP3級で「投資信託の分配金課税」を読んだときも、ただ読むだけでは記憶に残りませんでした。
でも、「この仕組みはお小遣い帳で利息を分けるイメージだな」と例え話を作ることで、しっかり記憶に残りました。
アクティブリーディング
アクティブリーディングとは、ただ読むのではなく、積極的に内容を理解しようとする読み方です。
具体的には、
- 音読して声に出す
- 読みながら要点をノートにまとめる
- 読んだあとに簡単に要約する
こうすることで、脳は「ただ目で追っただけ」よりも多くの神経回路を使い、記憶に残りやすくなります。
メタ認知
メタ認知とは、自分の理解状況を客観的に把握する力のこと。
例えば、「ここは理解できたけど、この公式は覚えてないな」と自分の理解の穴を認識することです。
例えば、簿記3級で「減価償却費の仕訳は理解できたけど、定率法と定額法の違いは曖昧だな」と気づけると、ピンポイントで復習できます。
FP3級なら「ライフプランニングは覚えたけど、公的年金の細かい金額は怪しいな」と把握できると効率的です。
メタ認知を意識することで、無駄な復習を減らし、弱点だけを効率的に補強できます。
勉強内容を記憶に残すアウトプット法
次に、記憶に残すために最も重要なアウトプット方法を紹介します。
ここでは、「問題演習」と「リトリーバル練習」という二大柱を解説します。
問題演習で記憶を強化する
例えばFP3級や簿記3級の勉強では、問題集を繰り返し解くことが必須です。
私自身、簿記3級の仕訳問題を最初に解いたときは、テキストで理解したはずなのに全く手が動きませんでした。
でも、解説を読み、もう一度解き直す…この繰り返しによって、仕訳パターンが自然に頭に入るようになりました。
問題演習の流れ
- 問題を解く(アウトプット)
- 間違えた問題の解説を読む(インプット)
- 翌日や1週間後にもう一度解く(リトリーバル練習+アウトプット)
リトリーバル練習を取り入れる方法
ポイント
人間の記憶は、時間が経つと自然に薄れていきます。
そのため、「忘れかけたタイミング」で思い出す練習をすることが効果的です。
復習タイミングの目安
タイミング | 内容 |
---|---|
翌日 | 前日に学習した内容を問題演習で思い出す |
1週間後 | 1週間前の範囲を再演習 |
1か月後 | 全体総復習 |
例えば、FP3級のライフプランニングの章を今日学習したなら、
翌日に問題を解き直し、1週間後にもう一度演習、1か月後に総復習する。
これだけで、試験直前でも内容をしっかり思い出せるようになります。
教育心理学の研究でも、思い出す練習と間隔をあけた復習の組み合わせが記憶定着に有効とされています。
勉強内容を記憶に残すための習慣化テクニック
最後に、これらの勉強法を毎日の習慣に落とし込むためのコツを紹介します。
朝活と夜学習で記憶定着サイクルを作る
脳科学的にも、朝は新しい情報をインプットするのに最適な時間帯です。
一方、夜はアウトプットで知識を整理し、睡眠中に記憶が定着します。
そして翌朝、前日の復習をすることで記憶がさらに強化されます。
おすすめサイクル(表形式)
時間帯 | 内容 | 目的 |
---|---|---|
朝 | 新規インプット(テキスト読み、要約) | 理解・記憶形成 |
夜 | アウトプット(問題演習) | 記憶の強化・定着 |
翌朝 | 前日の復習 | リトリーバル練習 |
タイムブロッキングで学習を習慣化
タイムブロッキングとは、予定を時間でブロックする時間管理法。
「朝7:00〜7:30はテキスト音読」「夜19:00〜19:30は問題演習」など、スケジュールに組み込むことで習慣化できます。
朝が苦手な方は、「昼休みに10分」「通勤中に音読」など、自分の生活リズムに合わせてOKです。
大切なのは、どの時間帯でも毎日必ず“学びの時間”を確保することです。
やってはいけない勉強法|記憶に残らないNGパターン
最後に、記憶に残らないNG勉強法も押さえておきましょう。
NG例 | 理由 |
---|---|
ひたすら読むだけ | インプットのみでは短期記憶で終わる |
復習をしない | 記憶が薄れやすい |
問題演習を一度解いて満足する | 繰り返しがないと定着しない |
こうした勉強法では、知識が短期記憶にしか残らず、試験当日には思い出せなくなってしまいます。
まとめ|今日からできる3ステップで記憶に残す勉強法
ここまでの内容を振り返り、明日から実践できる3ステップにまとめます。
- テキストを読むだけでなく、要約してみる
- 問題演習をして思い出す練習をする
- 翌日・1週間後に必ず復習する
まずは1週間、朝と夜に5分ずつでもOKです。
タイムブロッキングに組み込むと続けやすくなります。
小さな習慣が、あなたの記憶力と合格力を大きく変えます。