FP3級の試験では、「金融資産運用」分野で計算問題がよく出題されます。利回りや為替、投資信託の基準価額など、一見すると難しそうに思えるかもしれませんが、実は出題パターンはほぼ固定されています。
この記事では、FP3級でよく出る金融資産運用の計算問題について、出題傾向から具体的な解き方、学習のコツまでをわかりやすく解説していきます。計算が苦手な方でも「これだけは押さえておけば大丈夫!」と思えるような内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
金融資産運用の出題傾向とは?
どんな問題が出るのか?
FP3級の金融資産運用では、以下のような計算問題が頻出です:
- 株式の配当利回りやPER(株価収益率)の計算
- 投資信託の基準価額と分配金の関係
- 債券の利回り計算(利付債・割引債)
- 為替差損益の算出(外貨預金など)
基本的に「公式に当てはめて計算するだけ」の問題が多く、慣れれば得点源にしやすい分野です。
計算問題の出題比率
学科試験では、金融資産運用から3〜4問程度が出題され、そのうち1〜2問が計算問題です。実技試験(資産設計提案業務)でも、投資信託の運用成績や配当金に関する問題が出ることが多く、確実な理解が求められます。
FP3級でよく出る計算パターン
株式の配当利回り
【公式】
配当利回り(%)= 年間配当金 ÷ 株価 × 100
【例題】
株価が2,000円で、年間配当金が100円の場合
→ 100 ÷ 2,000 × 100 = 5%
【ポイント】
- 「年間配当金」が1株あたりなのか、複数株なのかに注意
- 株価は購入時点の価格を使用すること
投資信託の基準価額と分配金
投資信託では、分配金が出ると基準価額が下がるため、値動きだけでは損益判断が難しいことがあります。
【例題】
購入時:基準価額10,000円
分配金:500円
現在の基準価額:9,600円
【計算】
基準価額は400円下がっているが、分配金500円を加味すると、実質利益は +100円。
【ポイント】
- 分配金を含めたトータルリターンで判断
- 分配前後の基準価額の動きに注目
債券の利回り計算
債券には利付債と割引債がありますが、FP3級では以下のような単純な利回り計算が問われます。
【公式(単利)】
利回り(%)= 年間利子 ÷ 購入価格 × 100
【例題】
額面100万円、年利2%の債券を95万円で購入した場合
→ 年間利子2万円 ÷ 95万円 × 100 = 約2.11%
【ポイント】
- 額面ではなく「購入価格」に注意
- 償還差益を含む場合は計算がやや複雑になる(が、3級では基本出ない)
為替差損益の計算
外貨預金や為替取引では、「円高・円安」の影響で損益が出ます。
【例題】
1ドル=100円で1,000ドル購入 → 売却時1ドル=110円
→ 差益 =(110円 − 100円)× 1,000ドル = 10,000円の利益
【ポイント】
- 「買った時」と「売った時」の為替レートの差に注目
- スプレッドや手数料は試験では無視してOK
計算問題を解くためのコツ
問題文の条件を見落とさない
FPの問題では、「半年ごとの利払い」「分配金あり」「途中解約」など、条件が細かく記載されていることが多いです。うっかり見落とすと、正しい式を立てても間違えてしまうので注意しましょう。
また、「何株分の配当なのか」「購入価格はいくらか」など、前提条件にも気を配ることが大切です。
計算式は暗記より理解
単に公式を暗記するのではなく、「なぜその式になるのか」を理解しておくと応用が効きます。
たとえば、配当利回り=利回り(利益)÷投資額という考え方を理解しておけば、株でも債券でも同じ感覚で式を組み立てることができます。
よく出る!過去問パターンと練習問題
過去問でよく見かける問題
- 「株価2,500円、配当150円の配当利回りは?」
- 「投資信託の基準価額が変動し、分配金が出た後の損益は?」
- 「債券を購入し、償還時の利回りを求めよ」
- 「外貨預金の為替差益はいくらか?」
このようなパターンは、何年も形を変えて繰り返し出題されています。
練習問題の取り組み方
- まずは解法を理解する
- 何も見ずに解いてみる
- 間違えたら原因を分析(式?条件?数字の扱い?)
- 時間をおいて、もう一度やってみる
同じ問題を2~3回繰り返すことで、確実に定着します。
おすすめの問題集と学習法
FP3級に強い問題集を紹介
- 『みんなが欲しかった!FPの教科書&問題集』シリーズ
- 『スタディングFP講座』※スマホでスキマ学習できる
- 『ユーキャンのFP3級速習レッスン』など
どれもイラストや図解が豊富で、初心者にやさしい構成です。
学習の進め方
- 最初は分野別にコツコツ解く
- 一通り終わったら、ランダムで問題を解くことで本番対策に
- 1日10分でも継続すれば、2週間後には苦手意識がなくなります
まとめ:FP3級の金融資産運用で出る計算問題は攻略できる!
金融資産運用の計算問題は、FP3級の中でも「覚えて・慣れる」だけで得点しやすい分野です。最初は難しく感じるかもしれませんが、公式とパターンに慣れてしまえばスムーズに解けるようになります。
特に、配当利回り・投資信託の分配金・債券の利回り・為替損益の4テーマは頻出なので、絶対に押さえておきましょう。苦手なままにせず、今日から少しずつ練習を始めてみてください。